GUY x TOSHI-LOW 対談

 

「アコースティック不法集会」

 

これは3年半前のある復興イベントの休憩時間のひとコマから始まったのです。

 

発起人であり共同プロデューサーであり参加者でもあるTOSHI-LOW(the LOW-ATUS/BRAHMAN ※注1)に

 

今回のオムニバスをリリースする経緯を聴かせて貰いました。

 

 

INTERVIWER : GUY aka 骸

PHOTO : Tsukasa Miyoshi

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガイ(以下ガ):

今回のリリースの件について、トシロウが、何故リリースしようと思ったのか?経緯を聞かせてよ。

 

トシロー(以下ト):

まず、自分の場合はね。アコーステイックをやりたくてやったというよりは、被災地を回る中で歌を歌うという時に機材がなくて

そこであらためて歌を歌う原点に触れて、アコーステイックギターを手にしたんだけど。

(やり始めて)オレみたいなパンクバンド出がやっても面白いんだと気付いた時に、まわりの諸先輩方がアコーステイックやってることに、より興味を持ったのね。

ギター1本で歌える事を気付いた人達(先駆者)にね。

そこで、アコーステイックで響かせることも出来るのにそれを否定してももったいないなと。

歪んだギターの上でシャウトするのだけが好きだと思われてるの勿体ないなと、先輩方見てて思ったんだ。

 

ガ:ゆず(※注2)とかの路上フォークが流行な時期もあったじゃん。ワシはその時は全然ピンとこなかったのでね。

別にゆずが嫌いなわけじゃないけど(笑)

でもさ、今回の流れって、全然違うよね

 

ト:そうそう。全然違う。

 

ガ:(当時は)全然胸に来なかったものね。

 

ト:全然来なかった。

 

ガ:パンクスがアコースティックをやるのって。遠藤ミチロウさんがパイオニアだと思うのだけど、いざアコースティックやるって聞いた時に

え?アコーステイック?とか思ったもの。なんでバンドやらないの?って

 

ト:オレも思った。

 

ガ:ミチロウさんが20年前から平和公園近くのライブハウスで毎年8月6日にやってる爆心地ライブを見て、ビビったのね!!それは多分2003年のこと。

ミチロウさんのアコで、ガツーンでは来たけど自分がやるのとは別だったね。

自分とアコースティックの出会いは、そのだいぶ後になるんだけど、2011年震災のときに脱原発のイベントを広島でやった時、ワシは音楽を担当したのね。

脱原発を訴える為に集まってくれた人たちは皆、アコーステイックだったのよ。自分はアコーステイックなんて中学から弾いてなかったからやることは考えてなかったのね。

出演者から逆にガイさんもアコーステイックやりませんか?と言われて半ば無茶ぶりに答えた形で、パクポーさん(※注3)のもんじゅのカバーを1曲やったことが伝わっていまに至るのだけど。よく考えると不思議だよね。40半ばでアコーステイックデビューなんて考えもしなかったから。

 

ト:俺たち(世代)は逆じゃない。

先輩世代は、アコーステイックから入ってる人の方が多いのかもしれないけど、オレたちは爆音からアコーステイックに入ってるんだよね。

オレもミチロウさんのアコーステイック知って、分かりえないとこあった。なんでバンドやんねーの?って

俺はスターリン(※注4)見てえんだよ!!てね。

でも、(ミチロウさんのライブを見て)途中でハっと思うときがあったの。ミチロウさんすげえって!!

だけども、それを自分でやるかどうかは別だった。

けっか(やり始めるきっかけは)震災きっかけですけど、アコーステイックに自分を向きあわせてくれたのは良かったと思ってる。

震災なんかなければよいに決まってるけどね。

自分がそうなように、それぞれ先輩方がアコーステイックをやるのには事情や理由があると思うのね。

大体の人がバンドが一番いいに決まってるけど、頻繁には出来ないから代わりにという人もいるかもしれない。でもボーカルとしてみんな伝えてる。

そういうのを多くの音楽ファンに伝えれればいいなと思ったんだ。

 

ガ:3年前の佐東公民館(※注5)の休憩時間に言われたじゃん。

「アコーステイック不法集会ってタイトルで、パンク、ハードコアの先輩達集めてオムニバス出そうって!!」

いきなりだったんで、ビックリしたけどね。

すぐに、トシロウが伝えたい事、言いたい事は分かってたんだけど、実際実現可能なのかな?って思ったよ。だから3年半もかかったのだけどね(笑)

 

ト:構想だけは長い(笑)フグジャムとか観てると堪らないよね。たまに涙でそうになるもの。

いい感じと駄目な感じがとてもいいよね。フグジャムって、駄目な部分出すでしょう。人間的に素敵な部分がすごく見えるのね。

バンドだと少しだけ意地はらなきゃ恰好つけなきゃいけない部分ってあるでしょ、それが取れた自然さというかね。

GAUZE(※注6)だけでは見えないフグさんが観れるんだよね。

明け方八時に日高屋でベロベロとかさ(笑) 最高!!

 

ガ:フグジャムいいよねーー。

GAUZEだと厳しい事も唄ってるけど、フグジャムでは駄目でもいいんだよって思っても良いというかね。フグジャム聴くとホッとするよ。

 

丸山(以下マ)(注7):フグさんというかGAUZEなんですけど、オレGAUZEを聴きながら仕事してた時期があったんですよ。

嫌な事や辛い事があった時に「負けるかっ」て思って聴いてました。

 

ガ:GAUZEの歌詞ってそういう力があるよね。

 

ト:パンクスでアコースティックやってる人たちって、みんな一筋縄ではいかない人ばかりでしょ

いろんな経験してる人ばかり。それこそ一回ぶっ壊れちゃった人もいるだろうし。それを

救ってくれるのも歌なんじゃないかなと思うんですよ。

 

ガ:今回の構想って復興イベントの時に思いついたの?

それとも結構前から?

 

ト:311起こった後、被災地と呼ばれるとこにいってアコーステイックをやりだしてね。

その中でね、いろんなひとがアコーステイックやってるのが、ホワーんと形になればいいなぁと思ってた。

(リリースは)デモテープレベルでもよかったんだけどね(笑)

昔あったオムニバステープ的な感じ。

 

マ:アナログで素敵だなぁ

 

ト:次回はオレ入らなくてもいいから、第二弾を出したいね!!

候補はたくさんいるよ。

俺たちの世代だとイッソン(※注8)とかシノッピー(※注9)とか。

先輩世代だと、仲野茂さん(※注10)とか入ってくれたらいいよね。

プラス若い世代とかも巻き込んでいけたら面白くなるよね。若い世代のロックな奴もアコーステイックやってるからね。

そういった若い世代と、こういった系列(日本のパンク)のルーツと結び付けれると素晴らしいよね。

 

ガ:素晴らしい!!

そういえば、先日トシロウのソロライブ(2月20日広島ヲルガン座)を聴いたお客さんがツイートしてたのね。

トシロウさんの唄うカバーは、それまで殆んど知らなかったけどとても良かったって。カバー曲も知ろうと思います。てね。

ワシ的にはトシロウの選曲は全て分かるのだけど世代が違うと知らないんだなと。

でもそれ(カバー)から興味を持ってくれるのって素晴らしいよね。

 

ト:オレらはガイくんたちの世代の音楽を聴いて育ったからね。

80年代に子供だからね。その頃ガイくんは青年でしょ。

あの時代の感じが好きなんだよね。

 

ガ:アコーステイックでカバーやるといいんだけど、バンドでやると大仰になるよね。ミーアンドギミギミ(※注11)的というかね。あれはあれで良いんだけどね(笑)

 

ト:パンドだとコンセプト的になっちゃうよね。

アコーステイックって、カラオケに近いのかもしれない。自分で練習して唄うってところは似てるよね。でも、カラオケだと聴く人いないと思う(笑)

それをアコーステイックでやると、耳を傾けてくれるんだよね。

 

マ:3年前の佐東公民館でのライブはとても良かったです。OAU5(※注12)のステージングにとても感動しました。他の出演者もよかったし。

電車に乗って八木駅で降りたら、大阪から来てくれた女性お客さんに場所を尋ねられて、お互いで公民館を探しながらやっと辿りついたのが思い出にあります。

トシロウくんのMCで人間性も伝わったし。とてもいいライブ、イベントでした。

 

ガ:ライブの立地だけで考えるとあまり良い場所ではないものね(笑)

 

ト:前列のおばあちゃんとか乗り出して涙拭きながらこうやって見てくれてね。

ステージ側から見ててとてもよかった。

 

ガ:ワシ緊張しまくって全然お客さんのこと観れてなかった(笑)

 

ト:そう考えたら、ガイくん上手くなったなぁ(微笑)

 

一同:爆

 

最後にサイト観てくれてる皆さんにひと言!!

 

ト:第二弾オファーするんで、断らないでくださいね(^-^)

 

ガ:みなさん待っててくださいね。

 

ガ:その名も

 

一同:アコーステイック不法集会パート2

 

 

注1:日本のロックバンド。1995年に結成。メロディック・ハードコアと民族音楽をベースにしたミクスチャー・サウンドで多くの支持を集めている。TOSHI-LOWはBRAHMANのボーカリストで、2011年3月11日に日本を襲った大震災の支援活動を続けている。

 

注2:1996年3月結成のアコーステイックユニット。彼等の存在で日本中のストリートに路上ミュージシャンが溢れた。

 

注3:1979年メジャーデビュー。韓国と日本の両親をもつアーティスト。「HIROSHIMA」「傷痍軍人の歌」など反戦歌が知られ国内外のレベルミュージシャンに影響を与えている。

 

注4:1980年結成のパンクバンド。スキャンダラスなステージングで、世の中のフラストレーションを抱えたサブカルティーンエイジャーのハートを直撃し一世を風靡した!全国のライブハウスから閉め出された風雲児遠藤ミチロウ率いる伝説のバンド。

 

注5:2015年2月15日に被災地にて開催された広島豪雨災害復興イベントSTHフェスvol.1

 

注6:1981年結成。言わずと知れた日本最初のハードコアパンクバンド。一度の解散もせず2018年で結成37年を迎えるリアルパンクス。

 

注7:ガイ在籍のハードコアバンド「ORIGIN OF M」のギタリスト。

 

注8:1994年結成以来、日本のメロディックパンクシーンを代表するHUSKING BEEのボーカリスト。

 

注9: 2002年2月、横浜で 結成されたスリーピースロックバンド ASPARAGUSの渡辺忍。

 

注10:1978年結成の日本のパンクバンド「アナーキー」のボーカリスト。黎明期のパンクバンドとして今もなお強い影響力とリスペクトを集めるアーティストである。

 

注11:正式名称はMe First And The Gimme Gimmes。ファットマイクを筆頭にメロディックパンクバンドの有名メンバーによるカバーユニット。

 

注12:2005年に結成。BRAHMANのメンバー4人とパーカッションのKAKUEI、ヴァイオリンのMARTINによるアコースティックユニット。2015年2月15日にKAKUEIのスケジュールが合わず5人編成で出演した為5の名義になっている。